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2009年7月 7日 (火)

向日葵の咲かない夏

630_057  朝、庭に面したガラス戸を開けると、いつもより少し強めの爽やかな風が、室内に飛び込んできました。一瞬、夏であることを忘れてしまいそうな、気持のいい風でした。

そして、ガラス戸越しに見えるのは、一面のコスモス畑。でも、次の部屋から見えるのは、一面の向日葵の花~~ ただ、この花畑にコスモスと向日葵を半々に植えられたというだけのことなんですが、部屋によって見える花が違うなんて~~ 何て贅沢なんでしょう。

涼しい風に吹かれながら…… 花たちの揺れるさまを見ながら…… 今日は2日前に購入した 道尾秀介著 「向日葵の咲かない夏」を読むことに決めました。

出版社や書店関係の人たちのブログを読むと、今一番の話題は、何と言っても 村上春樹氏の「1Q84」ですが、それがやゝ落ち着いてきて、最近では、若手ミステリー作家の中でも最も期待されている実力派の一人、道尾秀介氏の作品が注目されています。

私も今まで読んだことのない、初めての作家なので、ワクワクしながらページを開きました。

《ここは、夏休み直前の小学4年生の教室。 担任の岩村先生が、夏休み中の注意事項などを伝えています。そして最後にミチオ君は休んでいるS君に宿題とプリントを届けるように先生から頼まれました。

S君の家で、ミチオ君が見たものは、死んでいるS君の姿と、その庭先に咲いている向日葵の花たち~~  急いで学校に戻り、岩村先生と再び現場に来てみるとS君の姿は、跡形もなく消えていました。 はたして自殺か他殺か…… 》

3歳の妹 ミカが、大人のような知恵を発揮したり、死んだはずのS君が一週間で、蜘蛛に生まれ変わり、ミチオ君の持つジャムの瓶に入って、行動を共にし、謎解きに協力したり~~  結論が出そうで、2転、3転する展開に思わず引き込まれ、一気に読み終えてしまいました。

私が紹介すると、何となく面白くないですね!

作家というものは、現実にない物事でも果てしない想像力でもってウ~ンとうならせてしまう力量の持ち主で~~ 荒唐無稽なことでも、楽しんで読めれば、これほどのエンターテイメントはない訳です。

この、道尾秀介氏は、初めてでしたが、何か魅力がありましたね。ホラー系の作品もあるとのことなんで、これは読みたくないですが、選びながら、しばらく読んでいこうと思います。

2009年7月 2日 (木)

ユニークな経営者

007 世の中には、自身の経営哲学に従って会社を運営し、成功している人達が何人もいますが~~ その中でも群を抜いてユニークな経営者が紹介されました。

それは、この不況にもめげず、着実に業績を伸ばし、その業界からも注目されている会社の経営者にインタビューし、成功の秘密を語ってもらうというTV番組だったのですが、そのユニークさはちょっと信じられないくらいでしたね。

取り上げられたのは、広島市のメガネチェーン「21」の創業者 平本 清氏。 そして、まづ紹介されたのは、部屋の中でゴルフの素振りをしている所。 「なぜ?」の質問に 「私がいない方が、社員がのびのび出来るでしょう~~」

いま全国に128店舗ありますが、各店舗の売り上げ目標も、個人のノルマも何もありません。 

店の大きな看板には 《利益を残さず値下げ》 と大書されており、いやでも目に入ります。実際、値段も安く、客足も途絶えることなく賑わっています。

業績も右肩上がりに伸びていますが~~ その最終利益は、すべて社員の給料やボーナス、商品の値下げ、お客様のサービスに充てられ、会社に残ったのは5万円ほどだったことも~~。

その代り、ボーナスの400万円500万円は当たり前。トップともなれば600万円近くになるということで「もらい過ぎ……」なんて冗談も出るほどだそうです。ちなみに、平本氏のボーナスは、このトップの人と同じ額だそうです。

でもどこの会社でも、何かあった時にと用意しておく金額(内部保留)が、たったの5万円では~~の質問に 「社員に融資を頼めば、あっというまに必要なだけ集まりますよ。社員出資制度もあり、年に一度の配当があります。現在の出資額は10億円ほどになります。」

その内部保留が5万円という事で、税務署の査察が入りました。 レジと売上伝票を調べたり、他の金額の動きを調べても、どこも公明正大で問題はなかったと、笑っておられました。

時代だなぁ~と感心したのは、ネットが大活躍しているという事です。社員の評価点数から、給料、ボーナスの額まで一目瞭然。ちなみに平本氏の給料を見たら 19万なにがし円となっていました。

提案、要求、不満、苦情などもみんなネットに書きます。いろいろな意見が出て、それで動いて行くそうですし、欲しいものを書きこんで、3日間何も反対がなければ、了承されたことになります。

「社長」も持ち回り、いなければ対外的に不便だから~という事で~~。

この会社を取材に来た大TV局のスタッフが、間をおかず転職してきたという逸話もあったそうです。

この番組は、ギャラリーとして、取り上げられる会社の社員や、一般の人たちが入っているんですが、今回は、企業の経営者たちばかり~~ これは珍しいことでした。そして、もうひとつ、この平本氏が、2週にわたって放送されたのも異例で、彼のやり方がいかにユニークだったかを証明するものだと思います。

世の中、探せば まだまだ常識にとらわれない自由な発想で、生きている人がいるんでしょうね。

2009年6月27日 (土)

まさか!

625_033 金曜日の早朝、あの世界のスーパースター マイケル・ジャクソン氏が自宅で倒れ、救急車で病院へ運ばれたというニュースが入ってきました。まだ運ばれて間がなく、米国のどのTV局も詳しい報道はありませんでした。

午後、外出から帰ってくると、日本時間のPM:2:00過ぎに、死亡が確定されたと、報じられました。米国民は勿論、世界中が、突然の出来事にショックを受けている様子が、手に取るように伝わってきました。

私も、ファンではないものの、その類まれな歌唱力と、ダンスには一目おいていましたし、魅了されてもいました。

《ムーン・ウオーク》を、初めてみた時は、何が起こったのかと本当に驚きましたね。それもあっという間に世界中に広がり~~ 特に子供たちや若者の間では、大ブームになりました。

プロモーション・ビデオも短編映画風の、新しいスタイルを作り上げ、「スリラー」は世界中で1億万枚以上売れました。 あまりにも膨大すぎて想像もできませんよね~~  そして、この世界のいくつものギネス記録が誕生しましたが、それはいまだに破られていません。

でも、昨夜も特集番組で、ノーカット版「スリラー」を放映していましたが、ゾンビたちが、地中や、棺桶から次々と出てきたり、彼らのアップのシーンは気持ちが悪くて、正視に堪えません。こんな場面が、お茶の間に堂々と流れるようになったのも、このあたりからなんでしょうか……

「今夜はビート・イット」「BAD」のビディオは、何も考えずに楽しむことができます。若者のエネルギーが、とてもストレートに伝わってきますよね。

ギネス記録になるほど売り上げ、「KING OF POP」と言われるようになっても、心の隙間は埋められなかったのでしょうか~~

アフリカの難民救済のため、《We are the world》を作曲し、大物アーティスト達が一堂に集まって歌いました。 そして世界の大ヒット曲になったのはまだ記憶に残っています。

ファンではなかった私の感想なので、間違っているかもしれませんが、このあたりまでが絶好調で、これ以降はいろんなスキャンダルによって、人生が少しずつ良くない方向へ回り出してしまったみたいです。

あまりにも才能があり過ぎたり、お金があり過ぎると、却って幸せになれないんでしょうか。

何となく、マリリン・モンロウーやエルビス・プレスリーが亡くなった時と状況が似ているような気がしますが……。死因がはっきりするのは、何週間も先のことだそうです。 

2009年6月23日 (火)

1Q84 読了!

112 この「1Q84」を読んでいる途中で、村上春樹氏の《1Q84を語る》と題する新聞記事が目に留まりました。その中で彼は「私は、オウム裁判の傍聴に10年以上通い、死刑囚となった元信者の心境を想像し続けた。それが作品の出発点になった。」と語っていました。

本を読み進めていくうちに、その色は徐序に濃くなっていくんですが~~ この記事を読んだ時は、あのいやな事件をもう一度たどるのかと~ ちょっと興味の薄れた感がありました。

でも、そこは力のある村上氏のこと、期待に違わぬ内容にはなっていますが……

お芝居で、劇中劇というのが良くありますよね。この物語では、ヒーロー、ヒロインともに、ねじれた時空の中にいながら、ヒーローは更に自分の書いた物語の中に取り込まれてしまっているという不条理さ~~。

カフカの「変身」や「城」なんかに通じる奇妙な感覚は、最後までついて回りますね。

村上氏はこうも言っています「犯罪の被害者と加害者との両サイドの視点から、現代の状況を洗い直したかった。」 「この時代の精神史を書き遺す意図もあった。」と。

私にしてみれば、面白かったとは思うものの、もろ手を挙げて世紀の大傑作と讃えるには、ちょっと引っかかるところがあります。

それにしても続編を望む声が、早くも上がっていますが、それについてはゆっくり考えたいとのこと。

それともう一つ、BOOK1の最初のぺージ、ヒロインがタクシーで聴いたFM放送のクラシック曲、ヤナーチェクの「シンフォニエッタ」が今驚くほど売れているらしいですね。もちろんこの本の影響であることは間違いありません。

私も、なじみのない曲なので、機会があったらぜひ聴いてみたいです。

PS 24日のワイドショウで、村上氏の「1Q84」が取り上げられ、そのバックに「シンフォニエッタ」が流れ、紹介されました。もちろん私には、作曲者名も曲名も出てはきませんが~~ 何度かは聞いたことがある曲でした。

2009年6月18日 (木)

辻井さんのコンサート

09521_066 このコンサートのチケットを購入した時は、まさかこんなに嬉しいサプライズが付いてくるとは夢にも思いませんでした。それは米国で行われた《バン・クライバーン国際ピアノコンクール》で、辻井伸行さんの優勝という、素晴らしいお土産でした。

日本では、その熱、いまだ衰えずで~~ 帰国後の様子や、成長の記録、音楽関係者のインタビューなど必ずどこかで取り上げられ、放送されたり、記事になったりしています。

そんなムードの中、受賞後二番目にあたるN市でのコンサートは、大盛況でした。

開場前から、普段は見たこともないようなTVカメラが何台も待機し、取材にあたっていました。

そして私自身も、なんだかじ~っとしていられなくて~~ 指定席なんだからあわてなくてもいいのに~~ 開場時間前から並んでしまいました。

内容は、ロシアと日本の友好を喫して、ロシアNo1の「ロシア・ナショナル・フィルハーモニー交響楽団」が、日本の主な都市を回り、プログラムによって、ピアノ、ヴァイオリン、その他の楽器のソリストがゲスト出演するというもので~~ 幸運にも、今回は凱旋した《辻井伸行》さんの素晴らしい演奏を堪能することができました。

まずロシア・フィルの演奏で始まりました。この交響楽団は、ロシアの一流奏者を集めて、6年前に創設された、すごい実力を持ったオーケストラで、私自身その知識がなかっただけに、生の演奏の実力に触れて、驚きました。

2曲目が、辻井伸行さんをソリストに迎えて「ラフマニノフ・ピアノ協奏曲第2番」。指揮者に導かれて登場した辻井さんに、超満員の聴衆から割れんばかりの拍手!! 本当に芸術劇場コンサートホール内が揺れたような気がしました。

辻井さんがピアノの前に座りました。指揮者が、いつもと違い、斜めにピアノと対峙し、少しでも息使いを伝えるための気遣いが伝わってきました。 ピアニストは弾き始める前にさりげなくピアノの幅の右端を右手で触り、それで、出だしの音の位置が分かるのでしょう、あとはもう自由自在、聴衆ばかりでなく、オーケストラの奏者の方たちまで虜にしてしまいました。

力いっぱいの拍手を何度もしたので~~ 今日は肩こりが、いつもよりひどいみたいです。

2009年6月13日 (土)

お取り寄せ

630_088_2 「本が売れない!何故だ~ どうしたらいいんだ~~」 出版社の営業S氏のブログには、都内の書店を回って、店員さんたちの生の声を聞きながら、気の合った人が知らないうちに辞めていたり、書店自体がなくなっていたりする、淋しい現状が、事あるごとに書かれるようになり、その回数も増えてきていました。

ところが《奇跡》が起きました。村上春樹著「1Q84 」の発売です。 普通20~30万部 売れれば、ベストセラーと言っている所……この本は2週間ほどで100万部を売り上げてしまったのです。 いま2刷目か3刷目かよく分かりませんが、注文に追い付かないのが現実らしいです。

村上氏の名前と、最後まで内容を明らかにしなかったミステリアスな販売方法が功を奏したのか~~ 見事に大当たりでしたね。

私も発売日に後れを取ったため、予約をしておいたんですが、先日 書店から入荷したとのTELをもらい、さっそく手にする事ができました。 BOOK1,BOOK2とも500ページを超すずっしりと重い手ごたえに、期待の大きさも増してきます。

まだBOOK1の1/3ほどしか読んでいないので、内容ははっきり分かりませんが、青豆という女性と、天吾という男性の話が交互に出てきて、どちらも何となく時空のずれた、奇妙な様子を呈しています。

この先どんな物語が展開されるのでしょうか~~ 興味津津、本当に楽しみです。

2009年6月10日 (水)

快挙!!

09521_231 4年に一度開催される「バン・クライバーン国際ピアノコンクール」で、日本人の辻井伸行さん(20)が、見事 優勝しました。彼は生まれた時からの全盲で~~世界的なコンクールを全盲のピアニストが制覇したのは、初めてのことです。 さらに、ベストパフォーマンス賞にも輝きました。

場所は米国テキサス州フォートワース。世界各国の予選を勝ち抜いてきた29人が、6人に絞られ、いよいよ決勝の舞台です。ただ一曲だけ弾いて決まるわけではありません。辻井さんは、4日にショパンのピアノ協奏曲、6日にラフマニノフ、7日にベートーベンと、大変な日程に挑戦していたのです。

このコンクールを、最初から最後まで見守り続けた人の感想によると、「辻井さんが6人に残ったのも、全盲の人が~~ という話題性も多少はあるのかなと思っていたのが、彼が演奏を初めて僅か数小節で、ぽろぽろ涙が出てきて、すっかり虜になってしまった。

その演奏は洗練され、聴衆の心に訴えかける素晴らしいもので、演奏後、聴衆は総立ちで《ブラボー》を連呼。その拍手は5分以上も続いた。」という事で、とても幸せな時間を過ごせたと結んでいます。

この優勝で、辻井さんは 2万ドルの賞金と、コンサートツアー、CDのリリースの権利も獲得し、一人前のピアニストとして活躍するための十分な支援もしてもらえます。

いよいよ一流のピアノストとして、世界に第一歩を踏み出すわけですよね。

父親は医者、母親はフリーのアナウンサーという恵まれた家庭に生まれた伸行さんは、生まれつき目の見えない子だということで、物ごころつく前から、おもちゃのピアノを与えられました。

そして2歳の時、母親の口ずさんでいた「ジングルベル」を、突然弾き出し驚かせました。曲は耳で覚えてしまいます。 点字の楽譜を使ったこともありますが、先生にゆっくり弾いてもらった方が、覚えやすいようです。

いまは上野学園大の3年生。先生はショパンコンクールで、1位ナシの2位となった横山幸雄氏です。横山氏もコンサートで日本中を回っておられるとても優秀な方で、辻井さんの先生だと伺って、納得がいきました。

「感動できる演奏で、世界を回りたい。」という辻井さんに、もし目が見えたら、一番最初に何をしたいと訊ねたところ、「両親の顔を見たい~~」という返事が返ってきました。 ちょっと、胸が熱くなりましたね。

6月17日にN市で「辻井伸行ピアノコンサート」があります。そして、何と幸運なことでしょう!私はそのチケットを持っているのです。ず~っと前に手に入れたんですよ!!図らずも「おめでとうコンサート」になりました。

今からでは、とても手に入らないでしょうね! 思いっきり楽しんできます。

2009年6月 7日 (日)

サンローランの苦悩

09521_138 華やかなファッションの世界には、巨匠と呼ばれる数人のデザイナーが挙げられますが、中でも出色なのが、クリスチャン・ディオールとイヴ・サンローランの2人! これは誰もが認めるところでしょう。 

服飾デザイン界の双璧~~ 若者が憧れ、目標としたこの2人の、世界中に与えた影響は、図り知れないですね。

イヴ少年がお洒落に興味を持ち始めたのは、粋でセンスのいい母親の影響が大きかったようです。 普通の男の子がするような遊びは苦手で、デザインに興味を持ち、18歳の時《服飾コンクール・ドレス部門》で優勝しました。

これを機会に、花の都「パリ」へ出て、憧れの人クリスチャン・ディオール氏のもとで、本格的なデザイナーとしての仕事をスタートさせます。 そして、華やかな舞台や、メインストリートのディスプレイなどに大いに刺激されました。~~まるで《夢の街》にいるよう~~!

彼は、ディオール氏にも認められ、精力的に作品作りに励んでいましたが、ディオール氏が亡くなり、いろいろあって独立の決心をしました。

仲間と、資金をかき集められるだけかきあつめ~~ 一流の場所で、一流のモデル、一流の招待客と、出来る限りの贅沢なファッションショウを開き、大成功を収めました。

それ以降の彼の活躍は、ここに書く必要はないでしょう。

忙しい仕事の合間に、唯一ほっとできるところ……それは、モロッコのマラケシュにある《ヴィラ・オアシス》と呼ばれる別荘でした。パリからたった3時間しか離れていないのに、マラケシュで、鮮やかな原色の世界と出会ったのです。

その色遣いで、モンドリアン、ゴッホ、ピカソ、マチスの絵画をテーマにしたデザインは、世界中をあっと言わせました。 でもこのアイディアといい、手間のかかる刺繍技術や縫製技術は、誰も真似できるものではなく、このテーマに関しては、誰一人追随するデザイナーはいませんでした。

服飾界のトップに立ち、思う存分に実力を発揮しながら、余裕を持って仕事をしているかに見えたサンローラン氏でしたが……実は…

実は…彼曰く「創作は戦いだ」といい、不安や困難が頭から離れない~~ 苦悩の日々を送っていたのです。 そんなことから、アルコールやドラッグに逃避したことも何度あったことか~~。

得体の知れない《怖さ》。期待されている新しい作品を世界に示せるかどうか…《怖さ》が広がっていく……。 次第に追い詰められ、精神を患ったこともあったというのです。

トップに立った人の辛さ、最後まで世界一の作品を期待される辛さが、こんなにも苦しいものだとは、愚かにも気がつきませんでした。

溢れるほどの才能なんてないんですね! 才能のある人達の、さらに上を行く人には、どれほどのプレッシャーがかかっているのか~~陰でどんなに努力しているのかを、今更ながら思い知らされました。

側近に言わせると、晩年はこうした苦悩の連続だったとのことですが、ちょうど一年前の6月、71歳で天国に召されました……。 もう苦しまなくていいんですね! 天国とマラケシュの別荘とでは、どちらが居心地いいですか? 今は、の~んびり過ごして下さい!!

2009年6月 6日 (土)

円空仏

09521_040 荒く彫られた木彫りのほのぼのした円空仏~~穏やかに微笑んでいて、気がつくと観ている人も思わず同じ表情をしていたりして~~。

世の中の人々の悩み、苦しみ、悲しみをわが身に引き受け、心安らかに生きていく力を与えてくれる……とても純粋なものを感じます。

当然のことながらこの仏像は、僧の円空さんによって彫られたもので、彼は日本中を行脚しながら、何万体もの仏像を彫りあげました。それは、中部地方、関東地方を中心にあらゆる場所から発見されています。

それも屋内からではなく、風雨にさらされて……道端や屋外からも沢山 見つかっています。

この円空仏に強く心を動かされた人がいました。 それは俳優の滝田 栄氏です。彼は今、田舎に引きこもり、円空を手本に、木彫りの仏像を創り続けています。

母親の死を機会に、取り組み始めたとのこと~~。 まだ初心者の拙さはうかがえるものの、只一人で黙々と彫ってきた仏像が、大きいのは1m位のものから、小さいのは数10㎝のものまで、何体も並んでいます。

NHKのカメラが入って取材していて、円空さんの話題から自然に彼が行脚している場面へと変わっていきました。当然のことながら、扮するは滝田氏です。

山道を歩き、洞窟で仏像を彫りながら何日も滞在し~~ と、足跡をたどりながらその心境を語る滝田氏は、まさに円空さんそのもの。 そしてお母様を亡くされたその気持ちもプラスされて、何でもないセリフも胸に強く響くんでしょうね… 彼が感極まって、言葉を詰まらせる場面が何度もありました。

観ている方は、アラッ! と思いましたが、そこまで深く 精神世界に入り込まれているのが良く分かり、上辺しか理解できていない自分自身を~恥じました。

都会から離れ、仏像彫りに打ち込む滝田氏の姿には、本物にしか表せないオーラがありましたね。 それには、あの微笑みの円空仏の力も見逃せません。

2009年6月 2日 (火)

1Q84 

09521_021 もう何年も昔のこと、ジョージ・オーウェルの未来を見据えた物語「1984年」を読みました。彼がこれを執筆したのは、1950年代だと思うのですが、近未来の1980年代の世界は、どんな風に変化しているのだろうか~~をテーマに、面白く、ショッキングに表現されていたのを思い出しました。

もちろん自由主義の国に生きているオーウェル氏にしてみれば、代り映えのしない20~30年後を書いてもおもしろくないということで~~彼の表現した1980年代の世界は、ガチガチの社会主義の世の中でした。 

例によって、人々は行動を厳しく制限され、監視されています。いたるところに監視カメラが目を光らせ、室内といえどもほとんど死角はありません。

壁一面がスクリーンになっていて、予告なしに幹部のアップが映し出され、仕事の呼び出しや、違反に対する懲罰の言い渡しなどがなされます。

当然のことながら、この体制に対する反対勢力もいて、ひそかに活動をしているんですが、監視カメラによって、室内をのぞきこまれ、唇を読まれて話の内容まで知られてしまうに至って……

彼らは、部屋の僅かな死角に身を潜めて計画を進め、最後には、壁のスクリーンからの命令をも無視してしまうのです。

結果はどうだったのでしょうか。私が読んだのは、1990年前後で、もう1984年は過ぎていました。そして、読みながら「ちょっとあなたの考えた世界と違っていたわね。」って、オーウェル氏に語りかけていたのを覚えています。

でも、古い話なので、詳しい内容はあまりよく覚えていません。

そして、タイトルの「1984年」から25年経った2009年の今年、村上春樹氏の「1Q84」が、5月29日の金曜日に発売されました。

詳しい内容は紹介されていませんが、「1984年」は、未来を見据えてのものがたり~。村上氏の「1Q84]は、過去の1984年を振り返ったものがたり~~らしいのです。

驚いたのはその売れ行き!予約と発売当日で68万部という信じられない部数!!

私も少し出遅れたものの、日曜日に近所の大きいと思われる書店を見て回ったんですが、見事に空振りで、予約をするのが精一杯でした。

6月の半ばには手に入るとのこと。 もう~~本当に~~待ちどうしいです!!

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